演劇

演技を磨くための演出家選び!役者は独りではツカエナイ?

演技力を磨く

今度やる舞台(2020年11月)は、5月の公演が終わって6月~半年練習してきました。

途中、私みたいにセリフが少ない者が半年も練習する意味あるの?なんて奢っていたことがあります。しかし、今では深く反省しています。

確かに半年も練習するって長い気がするけど、他の役者さんとの絡み方も変化するし、それによって自分の役の入り方も変わる、、、私にとってまさに半年はちょうどいいとさえ思うくらいだし、むしろ短いかもとさえ思ってしまう。

脚本家がつくる世界

劇団によって、それぞれ目指しているジャンルがありますね。

私がいま客演でやらさせてもらっている劇団のメインが「シチュエーションコメディ」です。コメディではなくて、なんかわかんないけど、バカなことを一生懸命やってるのがちょっとおかしい・・みたいな世界がこのジャンルなようで、これをちゃんと追求してやっているのは日本では他にいないらしい。

ちなみに、あたしも他の劇団で「シチュエーションコメディ」とうたっている数少ない劇団の舞台をチェックしてみたけど、あまり響かなかった・・・。ゴメンナサイね。ここ、いいよ!っていうおすすめの劇団あったら逆に教えてほしいです。

脚本によって舞台が作られる

コメディ以外にも、時代劇や歴史ものをやっていたり、恋愛劇とか人間ドラマ的大衆ものとかもあるし、戯曲ものとか、不条理劇とかいろいろだけど、脚本、というものがないと役者は演じることができない。

団長や監督がこの脚本をやると決めたら、役者はそこが生きる世界となる。とにかく脚本はすごく大事。ありがとう、脚本。

役者は脚本により演技の方向性や可能性が決まる

脚本で使われている配役、セリフによって役者のカラーは決まっていく。究極、同じ役をやっても、人によって表現が違うけれど、母親役をやるのか娘役をやるのかでも演技の方向性は変わるし、セリフが関西弁なのか標準語なのかでも生きる世界が変わる。

演出家が作る世界

演出家の仕事はすごく重要だ。

役者は演出家が描く人物を演じていかなければいけない。

もちろん、役者によって、同じ演出でもまったく違う演技になることもあるから、演出家がその役者の力量を見抜いているかというのも重要なところ。

演出家が求める演技

演出家は役者に、求めるベクトルを示さないといけない。同じセリフでも怒りながら言うのと、笑いをこらえながら言うのではまったくかわる。

つまり、トマトなのに、青いトマトを演じろ、と言われれば役者は青いトマトになり切らないといけない。

役者の役目

演出家は役者にとって、神の存在ともいえるかもしれない。そのくらい重要なアドバイスを演出家からもらうんだから、よく聞く耳を持って対応すべし。

これが、、、感覚で言われることもあるから、すぐに理解できないこともあるけど、何度か稽古しているうちにそれをわかるときもある。だから演出家を信じて演ればいいのだ。

役者の成長・演技を磨くには

ハリウッドスターなど海外のプロで活躍している有名女優や男優は、演出家を選んで仕事する人が多い。そのくらい演出家の目は役者にとって重要だ。

一人では演じられない

残念なことに、演じることが好きだから、といっても一人だけでは舞台には立てないし、一人芝居も目立つことはできるかもしれないけど、演技としてはキビシイかもしれない。

自分では演技力を測れない

ホンモノの役者になりたい、もっと演技を磨きたいと願うなら自分の考えは捨てたほうがいい。

なぜか?というと、役になりきれば、なりきるほど、中に入るほど、周りが全く見えなくなる。役になりきった状態で相手役と会話をすればするほど、二人だけの世界になってしまう。

それは、自分には、どんどんわからなくなるのだ。

演出家がOK!といえば、合格だし、OKといわれなくても、何も言われなくても合格。

下手な演技をすれば演出家が違うと指摘してくるのだ。そこをちゃんと指摘してくれる演出家であれば役者は演出家を信じて生きるだけだ。

しょせん、自分には自分が見えないんだから。まして、役に入ってしまうほどに見えなくなる。孤独だけど仕方のないことだ。

役者には脚本+演出家が絶対不可欠!

要するに、演技を磨きたいと切に願うのなら、優秀な演出家を探すことしかない。

正しい意見を率直に言ってくれる演出家の元で演じていれば、絶対に伸びていく。うまく演じるときの感覚を身に着けられるのだ。

そういう意味でも、いいな、って思える劇団を探してそこのWSなんかに参加してみるのがいいかもしれない。

決して、自分で自分の声や動画などを録音して、演技を判断してはいけない。そんなものは一時しのぎにしかならない。

さあ、明日から小屋入り。がんばろ。中に入っていれますように。