久々50代にして役者を目指すとなると、いろいろと業界用語がまったくもってわかりません。
まずは、とにかくどこかで役者活動を進めないことには何も始まらないので、役者募集のオーディションに応募していくと、必ず出会う言葉が「エチュード」。
このエチュードってなんぞや?って思うわけです。なんか、バレリーナが踊る何かのポーズかな?とか想像してしまいますが、そうではありません。
賢い人はネットで調べていきますが、鈍い人は、そのままオーディションに臨んで大恥をかいてしまうかもしれません。
この記事では、オーディションやワークショップでよく行われるエチュードについて解説していきます。
エチュードは即興劇のこと
単純にネット検索で「エチュード」って調べると、全然いい答えが出てくれません。
エチュードハウスとかエチュードアイシャドウとかリップとか、チョコレートやら、、なかなか演劇の内容としては出てこないので、ちゃんと調べたい人は「エチュード 演劇」とか調べないと出てきません。
ちなみに、エチュードとは、練習曲という意味だそうです。楽器の練習のためにもともと作られた言葉のようですが、ウィキペディアでは、絵画の下書きだったり即興劇だったりの解釈も書かれています。
参考元:Wikipedia
即興劇とは
「即興劇」って最初から言ってくれればいいのに!って思いますが、やはりカッコいい横文字を使いたくなりますよね。仕方ありません。
最近は「インプロ」といった即興劇を劇場で見せるジャンルもできていますが、エチュードはあくまでも劇場で行われるものでなく、演技の練習やオーディションでその人の演技をみるために行う演技の練習です。
つまりアドリブ演技のようなものですが、慣れていないと、頭はかなりパンク状態になるので、オーディションの前にはしっかり備えていきたいですね。
即興劇ってこんなもの
まずは即興劇の特徴を知っておきましょう。
- 台本を覚える必要がない
- テーマやシチュエーションは与えられる
- 制限時間が与えられる
- キーワードや禁止ワードなども与えられることも
- 演じる方は自分で物語を作っていく快感が得られる
だいたいは上のような特徴です。結局、即興劇というものは、ほとんどがアドリブでできています。
即興劇は喜劇に近い?
即興劇な、本質的に予測不なもので、予期なんてできないようなセリフを他の役者が言ってくるため、即興劇は自然と喜劇風になってしまいます。
情緒に溢れる感動的なシーンや、物語とはいいがたい芸術的なシーンも、即興でなければ演じることができないのかもしれません。
そうゆう意味では、オーディションで即興劇をやってもらうことで、その人の隠れた魅力を見つけることができる絶好の場となるはずですよね。新しく役者を発掘するときには、ぜひ活用したいものだというのが理解できますね。
エチュードがうまくなるためには?即興劇の腕を磨くコツ
エチュードは、事前に準備するセリフやシチュエーションすらありません。ただ、与えられたシチュエーションとキーワードくらいでしょう。そこからどう展開するかは全部自由なので、かえって事前準備がない縛りがないからこそ、情熱のこもったシーンが生まれてきます。
- 余計な力みが入っていないか
- 役に入り込めているか
- 感じることだけに集中しているか
この3つのポイントは即興劇をこなす上でとても重要なところです。オーディションを受ける人は、評価をする人がどうみているのかが一番気になるところですが、この3つのポイントに絞って演じるのが良い結果につながります。
①余計な力みが入っていないか
慣れていないと、ほとんどの場合、その場の間(ま)を埋めるだけの演技の設定で、話し続ける演技で終わってしまいます。単純な心情だけで押し切らないようにしましょう。
エチュードとは、会話を続けることではなく、セリフが思いつかなくても大丈夫なんです。黙ってうつむいていても、その役で成立していればOKなんです。
言葉が自然に生まれてきたら、発信しましょう。自分に向いた意識が弱まり緊張もほぐれてくると自然とつぶやけるようになります。力み過ぎて無駄に大きな声をあげたりするのは役に入れていないとみられてしまいます。
もし、力みが生まれて、いかにもわざとらしい声になってしまったら、「大きな声を出さざるを得ない」という状況を作ってみましょう。
②役に入り込めているか
イメージによって力加減を分散させると、力みの少ない演技になっていきます。
「オーバーアクト」は、観ている側をまったく意識してくれない自己満の演技になっていることがほとんどです。適度な緊張は残しつつも、その状況とその役割が感じるしぐさをしっかりと感じて表現していきましょう。
③感じることだけに集中する
即興劇はただ言葉をしゃべり続けるのが必要ではありません。しかも、キャラクターよりも状況設定を重視しているのです。
「シンプル」であることが特に求められているため、状況を把握し、その状況にどう反応するのか直に感じて表現するのです。
まとめ
エチュードは即興劇のことで、即興劇はインプロかエチュードの二つに分かれるそうです。実は私は先日とあるオーディションでこのエチュードを披露することになりました。
たった2分の即興劇なのに、緊張しっぱなし、リラックスは最後までなく、ずっと大きな声でしゃべっていました。
結果はもちろん選考に残れませんでした。
即興劇を評価されるためには、まずは気負いは捨てて、与えられたシチュエーションのなかで、役が限定されていないのなら、まずは自分として演じればいいだけです。
リラックスして誰かが言った言葉に素直に反応していく、というのが大事ですね。
参考になる本も出ているので、チェックしていてもいいですね。
現代戯曲の設計―劇作家はビジョンを持て!