役者をやっている以上は「恥ずかしい」という感情はとかくいらない。
先日、稽古の最中に、「だれかものまねができる人いない?」と演出家に言われ、すぐに手をあげることができなく、非常にくやしい気持ちになった。
そんなわけで、この記事では恥について深堀りします。
なんとかこの「恥ずかしい」という感情がでてしまうのを克服したいので、人間の深層心理についても触れていきます。
同じように、恥ずかしいという感情が捨てきれないで役作りがしずらくなっている人はぜひ参考にしてみてね。
突然、だれか物まねができる人いない?と言われる
役者であれば、だれにもおこりうる場面かもしれないが、「誰か物まねできる人いない?」と演出家に聞かれ、手を挙げる人が続出したら、それは盛り上がるだろう。
しかし、日本人気質の多い私がいる劇団では誰一人も手を上げない。
承認欲求の大きな私は実は、なんとしても手を上げたかったのだがどうにも手が挙げられず、二人の男性と一人の女性が代表として選ばれた
- 自分の母親の物まね
- カラスの物まね
- 自分の夫のものまね
なるほど、、物まねと言われても、芸能人や有名人でなくてもいいのか、というのが私の正直な感想でした。
内心、私が今まで似ていると言われたことのある有名人はカラオケで歌まねしたくらいしかないので、果たして、会話しているときとか動作などのマネはできるだろうか?とひたすら悩んでしまっていた。
身近な人の物まねなら私にもできるだろうと考えてみたが・・。
恥ずかしいという気持ちが芽生えた
その日は、今度の舞台衣装の撮影があるということで、あえて脱ぎ着しやすいワンピースを着ていた。しかも前身ごろを重ねて着るタイプのもので本来なら見えても大丈夫なようなTシャツをその下に着るものですが、猛暑・酷暑の8月ゆえに、簡略してワンピ1枚のいで立ちだったのです。
身近な人や家族の物まねなら、私が最大に愛する愛猫に決まっている。
彼の物まねならいくらでもできるのだ。
しかし、それを想像したときに、恥ずかしい、できない、と感じてしまった。その理由がワンピースである。
4つんばいになって猫のように歩くと、おそらく胸ははだけて、ブラジャーなどの肌が完全に露出するだろう。
若者の肌ではない、老いた肌を見せることがどうにも恥ずかしいのだ・・・。役者志望のくせに、こんなときに何を恥を感じているんだろうとひとり、悔やむこと数分・・・。
物まねを披露することなくその時間は終わった。
なぜ恥ずかしい気持ちになるのか
恥ずかしいという気持ちの発症元は、自分がイメージしている姿と周囲のイメージがずれてしまうことに、自分が失望を感じてしまうことにある。
つまり、自分のプライドなんだ。
他人にどう思われるか、ということに固執しすぎると、自由に行動できなくなる。
常に見た目ばかり気にしてしまうようになる。
さらに、役者志望の人のほとんどは、承認欲求が強く、その発端は「よくみられたい」「ほめられたい」といった感情が強い。人よりも強くある人が多いのが役者の傾向だ。
つまり、本当は、舞台でかっこよくみられたい、と思う傾向が強いのだから、かっこ悪くみられることにも強く反応してしまうのは当然であるのだ。
これは困った・・。
「恥ずかしい気持ち」を克服する方法
役者を志す以上、かっこいい役がまわってくるばかりではなく、どんな役でもこなすためにはかっこ悪い役や場面はリアルに演じなければいけないから、恥は早く克服しないといけない。
しかも、コメディ演劇をやる以上、ほぼ恥ずかしい役柄しか回ってこないのだ。
他人はあなたのことなんて見てやしない
なんと、恥ずかしい、と思っているのは実は、自分自身しかいないのである。
だーれも、みっともない光景を見ても、恥ずかしい、なんて感じたりしていないことがほとんどなのである。
リラックスして。他人はあなたのことなんて見てやしない。みんな、鏡に写った自分を見ることで忙しいんだから。
出典:ライフハック
誰もあなたの恥ずかしい場面を覚えていない
これも言われてみたら、その通りな気がしますよね。
他人の視線が怖い?
あなたは他人の恥ずかしい場面を、いくつ思い出せたでしょうか。正直、私はひとつも思い出すことができませんでした。
言い換えれば、誰もあなたの恥ずかしい場面を覚えていないということになります。
思い出しては恥ずかしくなるということは、「他人から変に思われている」ということに恥ずかしさを感じているはずです。
でも、そもそも人間は、他人にそこまで興味がありません。自分のことで頭がいっぱいなのです。
それは他人の恥ずかしい場面を思い出せない、あなた自身が証明しています。
しょせんは他人事なのです。それがわかれば、気にする必要などまったく無いのです。
結局、他人のことより自分のことで精いっぱいな人たちばかり、それを気にしているのは良くないに決まってる。
しかも、本当は・・・・役者にとって恥ずかしいことをやる意義って膨大で実はチャンスだったりするから、これ、逆に意識しないと損しちゃうかも。
バカみたいなことに一生懸命打ち込む人になぜか心惹かれる
美人や美男子には当然心惹かれるのは当たり前。
だけど、ブスだろうがどんなブ男だろうが、一つのことに一生懸命打ち込んでる姿には、みんな心奪われるものなんですよね。
役者だって同じで、美系男子や美女に打ち勝つためには、とにかく一生懸命役になりきることしか勝因はなし。
笑いの大学で役所広司が演じる役が、なんでだかわからないけど、とにかく魅力的に映ったのは、笑わせようとしてバカなことをするんではなくて、バカなことを必死で一生懸命やっているところ。そこがなんだかおもしろいなあ、って感じてしまうのは、おそらくこの感情は誰にもあると思う。
「正しさ」よりも熱量 何を言ってるかわからないけどなぜか惹かれる人・・
出典:peachy
まとめ
演技だけではなく、これって恋愛関係でも同じなのかもしれない・・。
男女ともに、心が動くのって、相手のひたむきな姿勢を見たときで、何かに一生懸命な姿には誰もが心が打たれるもの。
きっと役者は、みんなの「好き」な気持ちの代弁者かもしれないな。。恥ずかしいという感情は捨てて、表現するために、自分は役になり切ることに専念するのみだ!!